1996年 新入社員時代、師匠の一言
「これからはシステムの時代だ。システムの一つくらい、創れるようにならねばならない。」
チーフプロデューサーである河村は、1996年4月、大学を卒業し東京都内のHondaディーラーに師匠を頼って就職しました。確か入社2日目くらいのこと、私の師匠である当時の社長が「これからはシステムの時代だ。システムの一つくらい、自分で創れるようにならなければならない。」と強く発言しました。
当時は、Windows 95 の発売がニュースになっていた時期。その先見性に驚かされると共に、その言葉が深く心に残り、学生時代にMacのクラリスワークスというソフトでかじった程度のデータベース構築に真剣に取り組むことを決意しました。
1999年 営業個人の顧客管理ツールとしてスタート
自分のお客様の情報は、自分の使いやすいように管理したい。また、そうしないと本当に必要なのはどの情報かが見えてこない。
その言葉から3年、FileMaker ProというMacでもWindowsでも動くデータベースソフトを購入し、解説本を片手にデータベースを学習するという日々が続きました。勿論、仕事をしながらですので、本当に少しづつデータベースを構築していきました。
そして、1999年に営業個人要の顧客管理ツールとして大枠を完成させ、河村個人の顧客情報管理のために使用を開始しました。使用と同時に様々な課題が見つかり、改善を重ねてきました。
わずか5個程度のファイルを組み合わせたシンプルなデータベースでした。
2001年 組織の共有システムに発展
情報ストックのツールから、行動管理も意識したシステムへと改善。
2001年4月、河村は現職であるHonda Cars若狭に後継者候補として転勤、そこで今まで個人で使っていたシステムをサーバーベースの全社的なシステムに展開しました。
その中で強く意識したことは、過去の情報をストックしておくだけのシステムではなく、行動予定などプロセスをも管理出来るシステムに発展させるということでした。また、従来手書きベースで行っていた在庫管理や業務も仕組み化し、効率化を図ってきました。
2004年 個人で創る限界〜パートナー探し
過去の情報検索システムならば、実は顧客カードと本質は変わらない。必要なのは未来を創るシステムだ。その開発スキルとマインドを持ったパートナーが必要に。
しかしどんなに仕組みを改良しても、河村の心の中には釈然としないものが残りました。
どれほど努力をしても、仕組みは「過去の情報の検索システム」にしか過ぎないという事実から脱却出来ないのです。確かに、デジタルシステムですので、検索の容易さや並べ替え、データ抽出の柔軟さなど、紙の顧客カードと比べると遙かに使い勝手は良いのです。しかし、その本質は紙の顧客カードとなんら変わらない。
そして、継ぎ接ぎして創ってきたシステムをその真実から脱却させるには、新たな発想と技術で作り直すしか方法がないことも明白な事実として立ちはだかりました。
また、それが実現した暁には、Honda Cars若狭だけのシステムではなく、オープンなシステムとすることで、社会のお役にも立てるのではないか・・・。
思い立つと直ぐ動きたくなる河村は、開発パートナー探しを始めました。
2006年 パットシステムソリューションズ有限会社 中村社長との出会い
2年かかったパートナー探し。24社目に出会ったパットシステムソリューションズ有限会社 中村社長との出会いが、その苦労を吹き飛ばす。
簡単に見つかると思ったパートナーでしたが、難航を極めました。河村にはシステムディベロッパー界とのコネクションもなく、手探りでスタートいたしました。どこから手をつけたら良いかもわからない河村は東京近郊から西へ順にシステム開発の会社を訪ねるという手法をとりました。そして試行錯誤すること約2年、神戸にかけた一本の電話が全ての流れを変えました。
2006年、神戸のパットシステムソリューションズ有限会社の中村社長と出会いました。24社目にして運命的な出会いを果たしたといっても過言ではないでしょう。河村の持つ構想、想い、ビジョンに共感を頂き、共に事業としてスタートする決断をしていただきました。
そして、その時、この Clear Box は生命の息吹をその体内に宿しました。
2007年11月3日 文化の日 Clear Box が誕生
運命的な出会いから2年、パットシステムソリューションズの方程式でもある、アイデア(創造)=意志×根気×根気 に則って開発を重ねた結果が生まれた。
運命的な出会いから2年、私たちは構想を形にすべく幾度とない打ち合わせを重ねてきました。2007年にはパットシステムソリューションズの堀井氏がチーフディベロッパーとして参加し、文字通り二人三脚で開発を進めてきました。開発のねらいで紹介したこだわりを形にすることを強く意識し、この新世代のシステムは完成しました。
新しい「文化」をこの業界に創っていくことを願い、2007年11月3日文化の日に、 Clear Box は誕生しました。